世界で一番美味しいお弁当
休職中の私はお昼ごはんを一人でたべる。
家で作って簡単にすましている。
先週の金曜日は、三女が熱を出したため学校を休んだ。
その日の昼は、うちのやつが用意してくれたうどんをあたためて二人で食べた。
三女がいてくれてよかった。一人で家にいるのはもう耐えられなかった。
健康に不安をかかえ過ごす日々。
三女と食べるうどんはあたたかく優しい。
「おいしいね、休んでくれてよかったよ」
私はついそんな事を言ってしまった。
日曜日の昨日、三女はうちのやつにお小遣いをもらい、一人で買い物に出かけた。
なにやら私には秘密らしい。
夜になるとキッチンで慣れない料理をしている。
月曜日、三女は何も言わずに学校へ行った。
うちのやつは「冷蔵庫にお弁当あるからあたためて食べてね」と言ってパートへ。
そういうことか。
これまで食べたなかで、いや、世界で一番美味しいお弁当。
あまりの美味しさに涙がとまらなかった。