私しかいない。
病院の待合室。
当然あまり気分の良い場所ではない。
体調は良くなっており、待つのはさほど苦ではない。
周りの人はどんな症状で来ているのだろうか?
会話をしてみたいがそんな雰囲気でもない。
窓からは日がさしていてあたたかい。
昨日は子供たちが一緒に寝るというので布団が狭かった。うちのやつは仕事があるので、私は気をつかって狭く寝苦しい形にしてしまった。
待合室は暖かくて眠れそうだ。
先生は今日はマスクをしていた。
いつもどおりの診察。
私が良くなっていることを喜んでくれているように感じる。
ただ言い回しは淡々としている。
このやりとりはもう一年半をこえている。
なんか友達に近づいてきた。
焦るな焦るな焦るな。
復帰を急ぎたい気持ちを抑えて
先生に言った。
診断書をください。
休むための診断書だ。
復帰に焦るのには理由が二つある。
仕事をしたい。社会と関わっていたい。
もう一つは、
いまのこの状況、この不安から開放されたい気持ち。
ならば焦るな焦るな焦るな。
年始には私の実家に行って現状を話した。
母親は少し驚いていたが、
長い人生一年や二年休んだって
と言う。
まぁそんなに休むつもりはないが、ここで焦る必要はどこにもない。
うちのやつとも相談した。
自分に言い聞かせる。
焦るな焦るな焦るな。
仕事の代わりはどこにでもいるが。
家庭での私は私しかいない。