フォトフレーム
ベッドによこたわっていると、やや不自然な位置にある壁にかかったリラックマのフォトフレームが目に入ってきた。
フォトフレームの後ろにはうちのやつが拳で作った穴が開いているはずだ。
やりたい放題の娘たちの振る舞いに、うちのやつが怒りに任せて壁をぶち抜いたのだ。
流石にこの時ばかりは娘たちも静まりかえった。
後日、壁の穴を隠すためにフォトフレームを買ってきたのだ。
それから何年かたった今、恐らく娘達は何故ここにフォトフレームがかかっているのかを覚えていないだろう。
このフォトフレームをみると私は懐かしさと共に、子育ての大変さを思い出す。
不思議なことに振り返るとみんないい思い出になってしまうのだが。
この先も怒られ怒られ、たまに褒められ、娘達は成長していくのだろうか。
できれば家が壊れる前に一人前の大人になって欲しいものだ。
実はすでに同じような穴がうちにはあと二つ開いている。