落とし穴に落ちた日
楽しいし愉快だった。
こういう日はお酒が美味しい。
店を出たときには飲んだ量などわからなくなっていた。
次の記憶は道の真ん中で倒れて寝ていた。
誰かに大丈夫ですか?と聞かれた。
大丈夫です。と答えた。
自転車に乗った記憶はない。
そこからさらに自転車で走りだしたのだろう。
私は自転車に乗りながら寝てしまう。
次の記憶は、左頬がカキーンという音とともに激しい衝撃をうけた。
すぐに転んだことは認識できた。
頬を触ると今までなかったでっぱりがあった。
そこでどれぐらい倒れていたかわからないが、いま思えば車にひかれることがなかったのはただ運が良かっただけだ。
頬骨骨折は痛かったが、一週間後から9ヶ月もつづく地獄の比ではなかった。
こうして1年前の今日、自業自得の自分で掘った落とし穴に落ちた。